廃校となった小学校のレスキューストーリー

昨年、廃校になった長野県内の小学校にレスキューに行ってきました。
築80年の小学校。16年前に近くの小学校との合併があり廃校となったそうです。
新旧校舎、体育館とすべて木造で、リビセンとしても久々の公共建築物のレスキューでした。
当時、役場の方がSNSで古材や残っている物の再利用者を公募したところ、ものすごい反響があったそう。
一件ずつの対応はとても大変だった…!と、途中からは受け入れ制限したことなどもお伺いしました。
僕たちが現場に行ったときも、雰囲気のある建具や什器、腰壁などたくさんの物に業者さんの名前が記載されていました。
※現場では基本は早い者勝ちで、引き取りたいものが重なった場合は業者さん同士で話し合うことになっていました
こういった複数の引取り手がいる場合、リビセンの出番は最後の最後。
次の使い手が見つからず、捨てられてしまう寸前のものをレスキューさせてもらっています。
今回は、誰も引き取り手がいなかった資料展示用のケースや建具、学習道具、下駄箱、床板をレスキューさせてもらいました。
床板はおよそ80平米。
元々音楽室だったと思われる広い部屋と、廊下の床板を集中的に剥がしていきました。
1日作業しても、対象が大きすぎて全然レスキューしきれない、と悔しい思いをした事を今でも覚えています。

 

作業中に卒業生のお爺さん(一期生らしい)が通りかかり、少しだけお話をしました。
「これまで火事があったりいろいろと大変だったけど、やっぱり出身校がなくなるのは寂しい」
「こうやって学校の一部を再利用してくれるのは嬉しいし、そういった業者がいることも知らなかった」
話の端々に学校を懐かしむ言葉があり、感慨深くなりました。

今回、公募を決めて窓口になってくれた役場の方に、【ギフト】を送らせていただきました。
普段はレスキューさせてもらう古材を買取させてもらうことが多いのですが、
実はレスキューさせてもらった床板を使って、額等を作成してお渡しすることもできます。
建物をやむ無く解体してしまう場合に、形を変えて身近に思い出として取っておけるので、
特にこういった公共性の高い建物のレスキューの場合には、こういった形でお返しすることもあります。
ちなみに、この学校からレスキューさせてもらった床板は、いまはリビセンのカフェで楕円の大テーブルへ生まれ変わり活躍中です!
床板はまだまだたくさんお店に残っているので、まとまった数量の床板をお探しの方は是非お店に足を運んでみてくださいね。