水ノ上窯の器展、開催します!

こんにちは、華南子です。さて、来月は山口県山口市で作陶する水ノ上窯(@mizunouegama)の舛井岳二さんの個展を初めてリビセンにて開催するのですが、今年にはいって、器の展示が続いています。
そしてこの先もちょこちょこご案内できる予定なのですが、逆にいうとこれまでほとんど器の企画展をやってこなかったのは、理由があります。

そもそも!なのですが、リビセンがギャラリー的な要素をそなえ、作家さんの展示をやっていることをみなさんご存知でしょうか?👀

そもそものはじまりは、リビセンがレスキューした素材をつかって制作してもらうことで、ただの割れたガラスや埃を被っていた木の素材としての価値を見つめなおす機会をつくる、ということでした。友人の作家たちが、立ち上げたばかりのぴよぴよのリビセンを盛り上げるべく力を貸してくれたり、木工作家さんやガラス作家さんが、一緒に面白がってくれたおかげで、はじめられました。
もうひとつは「ReBuild New Culture」の文脈のなかにあります。それは簡単にものを買うことができて捨てることができるいまの世の中で、ものができる手前の部分に目線をうつすことができるものと出会うことや、ものとふたりきりになって、自分の目でゆっくりと見つめあって感じる。そんな時間をつくりたいな、と思ったからです。

古物をあつかっていると、どうしようもなく心惹かれるものがあります。由来はわからないけれど美しい。情報がないからこそ、わかったつもりにならずにモノとみつめあう時間が増えるように感じています。情報が多く生産管理されていないものと出会うほうが難しいこの時代に、そんなふうにものと見つめ合える場所をつくりたい。本当のうつくしさってなんだろう、と考えて、自分のなかでそのときどき感じていたい。つくられる過程のうつくしさもひっくるめて見つめたい。
もっともっともっともっと理由はあるのだけれど、それぞれの作家さんたちそれぞれと、共有している情感を伝えあったり、その時の彼らとリビセンのでできることのイメージをふくらませながら、ここまで30回展示を行ってきました。

でも、そのなかで陶磁器の展示販売は小規模なPOPUPも含めて3回ほど。
それにはいくつか理由があります。

ひとつは、木やガラスの展示と違って、リビセンがレスキューしたものをつかって制作、という文脈の中にないこと。
扱いが面倒な古材やガラスを受け入れて制作にあたってくださる作家さんたちとの出会いの先にあった企画展のなかで、陶磁器とリビセンはどんなふうに関われるだろう、とずっと考えていました。

ひとつは、器は好きなのだけれど自分が子育てで器を楽しむ暮らしを全然できていなかったから。
器を好きな気持ちとは裏腹に、食洗機にかけられる器ばかりを選んでつかってしまう暮らしをしている後ろめたさがあったこと。

そして最後に、リビセンは古道具として器をたくさん売っていること。
その中で作家さんの器をお預かりして販売することの責任とプレッシャーに、器が好きだからこそ悩む期間も長かったように思います。

そんなときにCASICAのよしおさんとお話しする機会があり、その会話の中でやってみよう、と思えたきっかけがあり、そこから大屋窯さん、石原俊久さん、塚崎恵さん、とご縁がつながり今回は水ノ上窯さんにご一緒していただくことになりました。

器を販売するということ。
いまは、その難しさや面白さの入口にいるような気持ちですが、選んでいただいた器がこれからの未来をいっしょにつくっていく、いつかもう誰がつくったものかわからなくなるくらい先の未来で古物と呼ばれるようになる。人間より長く長く誰かに寄り添える存在である器を、リビセンに来てくださるみなさんに手渡していけたらと思います。

・・・と!そんなわたしの葛藤もふくめて受け止めて今回展示してくださる包容力たっぷりの岳さんの器!みなさま、ぜひ見てほしいです〜!
洞春寺の敷地の中に工房をかまえている、というその状況もファンタスティックなのですが、工房の前には池があってそこにはおおきないかだがあってツリーテラスもあって…と更にファンタスティック。そんな朗らかな環境でつくられた大らかさを内包した品のいい器、みなさまぜひお楽しみに。

こまかな企画展の情報や器の写真などは @rebuilding.store のアカウントのほうでお知らせしていきますので、ぜひチェックしてくださいね。


水ノ上窯 企画展

期間:9月13日(金)〜 9月24日(火)

場所:ReBuilding Center JAPAN(1Fショールーム)